構造体完成
基礎の立ち上がりが完成しました。
出来上がりチェックをそれぞれの高さで確認します。
まずは、F3地中梁になります。ベースだけの業者もいますが、もちろん荷重がかからないところはベースだけでもつかもしれませんが、たぶんもたないほうが多いと思います。当事務所はしっかりと計算しております。
車庫のF3が深基礎になったのは地中梁の高さが400mm以上ないと基礎のもたいないことがわかりましたので、深基礎にして400mmの高さを確保しつつ、地上には基礎の立ち上がりが出ないように工夫しました。
ここは、玄関の落とし込みです。若干基礎を下げています。
こちらも基礎打ってからけずる業者もありますが・・・コンクリートのかぶり厚などを気にするので基礎を下げます。
通常の基礎の高さ800mmです。
3尺基礎といって高さが900mmまで打設できる型枠を使って施工します。まれに2尺基礎といって高さが600mmまでした打設できない型枠で施工しているところがあります。はっきりいうと、そういう業者は手抜きをしております。
青森市の凍結深度(配管の中の水が凍らない深さ)は地面から540mmの深さと指定されています。
そのため基礎の高さが400mm地上にでるとすると・・・
今回の基礎の地中にうまっている深さは・・・
800−400=400基礎の立ち上がりが埋まっています。
ベースの厚さはが150mmありますので・・・
400mm+150mm=550mmの深さが確保されます。基礎下端で550mm確保できていれば、給水本管が基礎下端からはいることができたら、あとは基礎断熱なので断熱空間に配管が存在することになっているので配管が凍結する恐れがありません。
しかし、2尺基礎型枠だと600mmしか高さがないので・・・
600ー400=200mmしか埋まっていないので、ベースの深さをたしても350mmしかうまっていないので基礎下端よりもさらに190mm下まで掘って配管を建物内部にいれないといけません。本当にそこまでやっているのか疑問になります。
さらに、先ほどもはなした高さが地中梁は400mmないと地中梁として機能しないケースも多いので、2尺基礎で600mm打設したとしても、人通口をもうけるところや地中梁は高さが200mmしかとれないので、基礎がもたないケースも多々あるということになります。
安いからでなく一番大切な、建物の基礎です。
SNSやBlogでチェックしてみてください。2尺基礎のところはD10という帯筋が一本少ないし、写真でみても高さがないのですぐわかります。
2尺基礎施工をしている業者の基礎はかなり危険度が高いということになります。
そして、完成した立ち上がりの断熱材の部分にはしっかりと下までモルタルを塗ります。断熱材の劣化防止と白蟻を少しでも入りにくくするためです。これも基礎の見える部分しかモルタルを塗らない業者もいます。
手抜きですね・・・白蟻が基礎を伝って入ってきたり、断熱材が劣化しやすくなります。
その後は、土間コンです。防湿シートも厚さを指定して守らせないと、防湿コンクリートの意味がなくなるので注意です。
そして、基礎が終わったので建て方開始です。
防湿対策に先張りシートをしています。梁などが組み込まれるとどうしても防湿シートに連続性ができなくなるので、こうやって先に防湿シートをはるのが重要です。これもやっているところとやっていないところが多いので家を依頼する際にはチェックするポイントです。
せっかくの家が、気密が悪くなったり、壁内結露したりしたら大変です。
そして、建て方を開始して小屋裏までいきました。
こちらも勿論先に防湿層をしっかりと作ります。
小屋束など気密が取りにくいところには、気密バリアという気密が取りやすい商品を使い、施工手間を軽減します。
あと、木造住宅の床剛性を考えると小屋裏にもしっかりと構造用合板24mm以上のものをはって、川の字打ちで100ピッチくらいにネダノットというビスをうたないと、床剛性が保てないケースが多いです。
火打ち梁程度では間に合いません。耐震等級2等級以上とうたっているときにはこの床倍率がとれていないかチェックが必用です。
建築基準法上の床倍率のチェックは長期優良住宅でないとチェックされませんが、計算しなくていいわけではないので要注意。
そして、垂木を・・・こちらも継ぎ手を乱尺にすることで垂木の弱いところを分散しています。
垂木は杉やスプルスだと軒の出を455だすとしても、樹種では積雪荷重が多い地域はクリアーできないところもあるので、樹種やピッチが大切です。
そして、構造用合板。
当事務所は強度や耐水性を指定しています。
昔は、青森県だと指定した構造用合板がないなんてこともありました・・・
構造用合板は強度を表す等級、2級、1級と耐水性を表す等級、特類、Ⅰ類、Ⅱ類などがありますので用途に応じて使い分けが必須です。
そしてアスファルトルーフィング。重ね手などをチェックします。
そして、屋根を葺きました。
そうやって大工さんがそとをやっているときに、一生懸命内部を塗装しています。
この現場、木と鉄をテーマに設計しておりまして・・・
一発仕上げで躯体がたくさん見えてきます。
そのみえる躯体に柿渋を塗っています。無臭なので以前と違ってくさくなくていいですね。