君は違和感を感じたことがあるか?
昭和の時代から、国民の生命と財産を守る青年達がいた。
建築士と呼ばれた彼らの、ペンは紙を走り、その図面は大地に建物を建てたという。
その能力に、不安を覚えた国土交通省は、建築士養成のために各地で定期講習を開いた。
その数年後・・・新試験制度が制定され、青年達は、見事に建築士になった。
その証である建築士免許を携え、次々に現場に戻ってきた。
建築士免許には・・・最上級で黄金に輝く免許・一級建築士免許、基本的な技術を習得した中級の免許・二級建築士免許、やることが木造の一部に限られている木造建築士免許の三階級がある。
また、正義であるべき建築士の力を私利私欲のために使う悪の集団。暗黒建築士もいる。建築士の免許だけ体得し不正に免許を与えられた者や、法律に反した振る舞いによって建築士の免許を剥奪された者、あるいはペーパー免許である者たちである。
また、暗黒建築士に賛同する悪の業者も多く存在する・・・
暗黒建築士とその仲間を討伐するために、真の建築士は自分の知識と技術を武器に設計監理業務を行い、国民の平和を守るため日々活動している。
建築士の中にはシックスセンスに目覚め、集中力を最大限に高めスケールやコンベックスなどがなくても現場の違和感を感じて、現場の不備をみつけることができるが建築士がいる。
そんな中・・・一級建築士の一人・・・稲見公介は、パネルヒーターの納まりに違和感を感じて、2~5mmの誤差を見事に目視で当てて、パネルヒーターの下端そろえを命じたのである。
というわけで・・・見学会をプレオープンしていましたが・・・日曜日は予約がはいっていないのでパネルヒーターの誤差の微調整と、通電したことで照明がつくようになったので、照明を当たり具合をみてちょっと気になる点を改善して、来週の見学会で一番建物を美しい状態にもっていこうとしています。
また、外構も本日コンクリート打設しました。
来週は、植栽は間に合わないかもしれませんが(雪で工事遅れたので)、路面は完成していると思います。
車は路面ではなく隣の敷地においていただけましたら幸です。
私は、建物はできればいいというわけでない考えの人間なので、窓台の幅が適当とか、棚板が図面通りでないとか、ダウンライトが向きがデザインでなくてそろっていないとかは嫌なので、図面を書いたり、現場で指示したりします。
しかし、それを細かいと言って嫌がる業者、他の暗黒建築士(笑)が指摘しないからとくってかかる業者さんがたくさんいます。
お施主様がいるケースは、お施主様に言えばこういうのを直させる方向で話がもっていけますが・・・建て売りや展示場のケースは工務店さんの社長さんがお施主様でもあるためそういうことを指摘しても嫌がられることも多いです。
違反建築でも、無視するケースも少なくありません。
私は最近、かなり嫌な思いをしたのでしばらくはこういった、建て売りや展示場の設計監理をやろうとは思っていません。自分がもっと、発言力をもち言っていることがまかりとおる実力をつけないと、その建て売りや展示場を後々ご購入されたお客様にご迷惑かかるからです。
私は違和感を感じたときは調べて注意します。業者には嫌われますが、お客様は一生に一回の大きな金額を投資して財産を築きますので、そのお客様のことを考えるとこういうところも、気をつけてあげたいなと思っています。
業者には最悪だけど、お客様には最高だよねと業者にいわれますが・・・きちんと図面を提出して、見積もりをとって契約書を交わしてから仕事をさせていますし、お客様からのお金の支払いは契約金から値切らせたことは一度も無く・・・追加もきちんとお支払いをお願いしてお客様に支払っていただいておりますので、私からするとこういうことはきちんとやっていただいて当然だと思っています。
もちろん、人間ですので誤差もあるし、間違いもあるので出来ることをやるしかなく限界もあります。でも、全力を出し切ってほしいなと思うわけです。
今回は、業者さんの勝手な判断で納めをかえられました・・・それが業者間で伝わっていなく、私にも伝わっていないために不揃いでパネルヒーターがつきました。パネル工事が終わってからチェックをしそれを見抜いた私が、やり直しを命じたわけです。
プレオープンしていたので、土曜日の夜から日曜日をかけて手直しをしたわけです。
運良く、金物で調整できる範囲だったからよかったですけど・・・これが、クロス張り替え塗装塗り替えなら大変な工事でした。
そういうところを気にしないで見逃すところが多いとのことですが・・・もちろん、見逃しても違反建築でもなんでもありませんが・・・少しでも、ベストな状態でお客さまに引き渡したいと思う、子供である住宅への親心です。
プロならそうおもうでしょ?結婚式にでる花嫁さんの髪型のささいなところをヘアメイクさんはこだわりませんか?メイクさんは化粧をただぬってあげるだけですか?衣装さんはほころびがあれば直してあげませんか?カメラマンさんは少しでもきれいに撮影してあげたくありませんか?料理人さんは、ささいな味加減をこだわって、少しでも美味しいものを提供したくないですか?私も一緒です。
そして、私の知る限りクオリティの高い仕事をしているところの現場は、表舞台ではきれいに上品にふるまっていますが、裏舞台は戦争です。一人一人が真剣勝負のため、優しく手取り足取りなんてやっていないです・・・限りある時間と予算の中でベストを尽くすために戦争です。
普段は仲の良いチームでも、戦場です。
私は、そんなクオリティの高い仕事をしたい仲間達と一緒に仕事をしたいですし、一緒にのびていきたいです。
今回も、業者さんは意図があって変えたようなので悪意はなく、最終的にはその意図に沿って全てを揃えることになったので事前の相談が必要だったというところであり、手抜きでもなんでもないので以降は気をつけてくださいというかたちになりましたが・・・
嫌われ稲見で、性格は最悪と言われていますが・・・「違和感」を感じることって重要なことだと思います。感じることができないなら徹底的にスケールやコンベックスではかるしかないので・・・初期の私は徹底して現場をはかり、チェックし、徹底的に本を読んで勉強しました。
おかげさまで、一級建築士を建築やってから早い段階でとれたかなと思っています。才能でなく努力・・・寝なかったですもん。その頃・・・
先輩達ともたくさん交流してたくさん色々なものを教えていただきました。今だって、苦手なものがあり勉強中です。
努力に勝る天才無しです。日々、努力します。少年ジャンプのコンセプトのように、努力すると弱かった主人公が、最強の敵を撃破するように、才能も無い私ですが努力して、業界を変えるという途方もない目標をかなえたいです。